早世の天才作曲家、António Fragoso

ポルトガルを代表する音楽といえば、「ファド」(正確にはファドゥ)。ポルトガルに行ったことのある方やポルトガルファンであれば、耳にしている方も多いはず。
しかし、今日はそんなファドを一旦置いておき、私の思い出話を交えながらポルトガルのクラシック音楽を紹介したいと思います。

こちらの楽譜。かなり年季が入っていますが、当時ピアノにのめり込んでいた私への、兄からの手作りクリスマスプレゼントです。表紙ももちろん兄お手製。イラストのロバがミソ。ポルトガル語でロバ(Burro)は「頭の悪い」という意味を持ちます。「頭の悪いあなたでも弾ける♪」といったところだろう。いやみったらしい!

とはいえ、せっかくいただいた楽譜、使ってやろうじゃないかとピアノの先生に見せることにしました。そのふざけた表紙に対する先生の反応は覚えていませんが、パラパラと中身をめくるなり、あるページで手を止め、目を輝かせる先生。

「これこれ、この曲いいよ!」それが、António Fragoso(アントーニオ・フラゴーズ)の作品でした。1897年生まれ、1918年没。21歳という若さでこの世を去った若き音楽家です。

画像はCasa da Musicaより

フラゴーズは6歳から叔父の手ほどきを受け、16歳で自身の作品をお披露目すると、一目注目を浴びます。その後はリスボンの音楽学校に進学し、数々の曲を手掛けました。しかしほんの数年後、ヨーロッパ全土で流行していたインフルエンザが原因で病死してしまいました。

当時のポルトガルではまだ馴染みのなかった印象主義的なスタイルが高い評価を受けたようです。彼が長生きしていれば、きっと更に活躍してもっとこの世に知れていただろう、と熱く語ってくれた先生。そうして決まった、その月の練習課題曲がこちら。

●Petite Suite “Prelude”

く、暗い…orz しかし、このメランコリックなメロディはいかにもポルトガルらしい感じがします。どことなく不気味で美しい。こちらのノクターン(オーケストラ版)も気に入っています。音質とオーケストラが少しいまいちなのが残念ですが…^^;

●ノクターン(変ニ長調)

いかがでしょうか。どこかドビュッシュー、ラヴェル、ラフマニノフを彷彿させませんか?

さて、ここでタイムリーなお知らせをひとつ。来年、アントニオ・フラゴーズは没後100周年を迎えます。これに向けて、2017年10月からポルトガル各地で彼の作品を扱ったコンサートが開催されます。英語版サイトもあるので、是非ご覧になってみてください。フラゴーズのイケメンギャラリー(?)もありますよ。
サイトにはコンサート情報のカレンダーも載っていますが、肝心の予約方法が見当たらず。この情報不足さもポルトガルらしいといえばらしい(笑)が確認でき次第、あらためてご案内します(笑)

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●ポルトガルニュースサイト「Diário de Notícias」でアントニオ・フラゴーズを扱った記事↓
https://www.dn.pt/lusa/interior/setenta-concertos-e-integral-da-obra-no-centenario-do-compositor-antonio-fragoso-8805420.html

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